2019年に公開された『バンブルビー』は『トランスフォーマー』シリーズ初のスピンオフ作品です。1作目よりも20年前の時代を舞台に、孤独な少女と記憶を失ったトランスフォーマーの交流を描いており、これまでの『トランスフォーマー』シリーズとはひと味違った作品となっています。最新作ですが時間軸が古いため、『バンブルビー』を最初に見て、『トランスフォーマー』シリーズに興味を持った人も珍しくありません。
そこで今回は、『バンブルビー』のあらすじを紹介します。他にも、登場するキャストや見所、実査に見た人の感想などを紹介します。結末までネタバレをしていますので、苦手な方は注意してください。ぜひ、最後までご覧ください。
Contents
映画『バンブルビー』の作品紹介
監督:トラヴィス・ナイト
脚本:クリスティーナ・ハドソン
原作:タカラトミー・ハズブロ『トランスフォーマー』
製作:マイケル・ベイ、
スティーヴン・スピルバーグ
出演者:ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ジョージ・レンデボーグ・Jr、ジョン・オーティス、ジェイソン・ドラッカー、パメラ・アドロン
主題歌:ヘイリー・スタインフェルド「Back to Life」
製作国:アメリカ合衆国
配給:パラマウント映画、東和ピクチャーズ
“何があっても あなたを守る”
マイケル・ベイ監督の代表的なシリーズである『トランスフォーマー』シリーズの、初めてのスピンオフ作品です。アニメなどメディアミックス展開をしている『トランスフォーマー』シリーズで、ドジだけ愛嬌がある事で知られるバンブルビーを主役にした映画となっています。
マイケル・ベイは本作のメガホンを取らず、製作としてスティーヴン・スピルバーグと共に関わっています。本作のメガホンを取ったのは、ストップモーション・アニメ作品の『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』でアカデミー長編アニメ映画賞にノミネートされたトラヴィス・ナイトです。
『トランスフォーマー』シリーズ1作目の20年前を描いた作品のため、後に登場するシリーズのキャラクターは殆どいません。そのため、『バンブルビー』単体で見ても十分楽しめます。しかし、『トランスフォーマー』シリーズを見ておけば、地球にどうしてエイリアンを調査する組織が居るのか、どうしてサイバトロン星は滅んでしまうのかなどの理由が分かり、『バンブルビー』をより楽しめます。
主演を務めたのは『トゥルー・グリット』で数々の賞を受賞し、最近では高い評価を受けた『スパイダーマン: スパイダーバース』のグウェン・ステイシーを演じた事で話題になった、ヘイリー・スタインフェルドです。高い演技力だけでなく、歌唱力も素晴らしく、『バンブルビー』の主題歌、「Back to Life」を熱唱しています。
他にも、ジョン・シナやジョージ・レンデボーグ・Jrなどの、異色な経歴を持つ俳優や、これからが期待される俳優などが出演しています。スピンオフ作品ですが、発表当時はナンバリングタイトルの1つとされており、シリーズファンなら絶対に見ておきたい映画です。
映画『バンブルビー』のあらすじ(ネタバレあり)
オートポットとディセプティコンの戦争
遠い、遠い宇宙の彼方。サイバトロン星はオートポットとディセプティコンの戦争によって、星が大きく疲弊していた。劣勢だったオートポットはサイバトロン星以外の新天地を探す為に兵士の一人、B-127を地球に送りこんだ。
しかし、地球に到着するなり、ディセプティコン側のブリッツウイングと戦闘になり、大破してしまう。B-127は近くにあったフォルクスワーゲン・ビートルに変身して、姿を隠す事にした。
孤独な少女が出会ったのはトランスフォーマー
サンフランシスコ郊外にある街で、父親を亡くしたチャーリー・ワトソンは深い悲しみの中にいた。好きだった飛込競技を止め、父親の思い出の品であるコルベットを修理する為にバイトをする日々を過ごしていた。
母親は新しい夫を迎え入れ、友人は離れていき、バイト先では片思いをしている人物の前でヘマをしてしまい、散々な生活だった。そんな中、18歳の誕生日を迎えたチャーリーは、叔父の廃品屋へ行きコルベットのパーツに使えそうな車を探していると、黄色のビートルを見つけます。
誕生日プレゼントとして強引に持ち帰ったビートルを点検していると、突然ロボットに変形してしまった。驚くチャーリーだったが、B-127は戦闘の後遺症もあり記憶を失い、言葉も出せなくなっていました。何かに襲われた事だけは覚えているため、怯えるB-127をかわいそうに思ったチャーリーは、B-127を匿い、バンブルビーと名前を付けました。
チャーリーとバンブルビーの平和な時間
バンブルビーは好奇心旺盛な子供のような振る舞いをしていて、孤独だったチャーリーの心を慰めていきます。互いに信頼関係を築き上げていく中、チャーリーに恋心を抱くメモにバンブルビーの秘密がばれてしまい……。
続きはネタバレ結末をご覧ください。
映画『バンブルビー』の結末ネタバレ
以下には映画『バンブルビー』のネタバレが含まれます
新しい敵と迫る脅威
メモはチャーリーが好きなため、バンブルビーの秘密を守ると誓う。しかし、バンブルビーの痕跡を掴んだディセプティコンは、新たにシャッターとドロップキックを地球に送りこんだ。二体は現地の秘密組織セクター7のバーンズと接触すると、バンブルビーが地球を滅ぼそうとする悪人だと嘘を吐き、セクター7の協力を取り付けます。
現地人の協力もあり、バンブルビーは敗北。バンブルビーに拷問するディセプティコンのメンバーは、本当の目的であるオプティマス・プライムの居場所を突き止めます。オプティマス・プライムは仲間を伴って地球に向かっていると知ると、二体はディセプティコンに増援を依頼しようとします。
記憶を取り戻したバンブルビー
激しく破壊されたバンブルビーを助けに来たチャーリーとメモのお蔭で、バンブルビーは蘇生し、失っていた記憶を取り戻します。回収しに来たバーンズを蹴散らすと、ディセプティコンにメッセージを送ろうとする2体を追いかけます。
遂に始まる最終決戦
アンテナ施設を巡り、シャッターとドロップキックと戦うバンブルビーですが、苦戦を強いられます。そこに、真実を知ったバーンズや、バンブルビーを助けようとチャーリーやメモが戦いに参戦します。バンブルビーは全員の力を合わせて、シャッターとドロップキックを倒し、ディセプティコンへのメッセージを食い止めました。
戦いが終わり、別れの時間がやってくる
バーンズはバンブルビーに謝罪をし、米軍が追いかけている事を伝えて見逃しました。チャーリーとメモを乗せたバンブルビーは人知れない場所まで逃げると、そこで別れを言い合います。ビーグルからカマロに変身したバンブルビーは、地球に到着したオプティマス・プライムたちと合流。B-127と呼ばれると、ラジオを通してバンブルビーと名乗りました。
映画『バンブルビー』の登場人物とキャスト・吹き替え声優
チャーリー・ワトソン (ヘイリー・スタインフェルド/土屋太鳳)
父親を亡くした孤独な少女。大好きだった父親が死んだショックで飛込競技を止め、新しい父親とも仲良くなれず孤立してしまっている。本来の性格は明るく活発で、偶然出会ったバンブルビーと触れあっていくうちに本来の性格を取り戻していく。物おじしない性格で、セクター7のバーンズや、ディセプティコンのシャッターにも果敢に挑む。
父親の死で孤独感にさいなまれる少女を演じたのは、ヘイリー・スタインフェルドです。14歳の時に出演した『トゥルー・グリット』の演技で数多くの賞を獲得し、これからの活躍が期待される若手女優です。
日本語吹き替えを担当したのは、土屋太鳳です。連続テレビ小説『まれ』や『累 -かさね-』で主演を務めており、高い評価を受けている女優です。吹き替え経験は少ないですが、アニメ『僕だけがいない街』でアニメファンが舌を巻くほどの演技を披露したことがあります。
バンブルビー/B-127 (ディラン・オブライエン/木村良平)
心優しいトランスフォーマー。ディセプティコンとの戦争により、サイバトロン星を脱出するもセクター7に見つかってしまい、ブリッツウィングとの戦いで記憶と言葉を失ってしまう。その後、チャーリーに引き取られ心を通わせていく。チャーリーの持っているラジオを通して喋りかける。
『トランスフォーマー』シリーズでも屈指の人気キャラクター。『バンブルビー』ではバンブルビーの人懐っこさや好奇心旺盛ぶりが発揮されています。声を担当したのは、『メイズ・ランナー』シリーズで脚光を浴びたディラン・オブライエンです。
日本語吹き替えを担当したのは、声優の木村良平です。『東のエデン』や『銀の匙 Silver Spoon』などの人気作で、主演を務めている実力のある声優です。
ギレルモ・“メモ”・グティエレス (ジョージ・レンデボーグ・Jr/志尊淳)
チャーリーに恋心を抱く少年。チャーリーのアルバイト先近くで働いており、彼女に一目ぼれをするも奥手な性格が災いし遠くから見ているばかりだった。明るくなっていく彼女の変化が気になり、後を付けてしまいバンブルビーの秘密を知る事になった。
チャーリーの影に隠れながらも、要所でアシストしているメモを演じたのは、ジョージ・レンデボーグ・Jrです。22歳と若手俳優ですが、『スパイダーマン:ホームカミング』や『アリータ: バトル・エンジェル』などの人気作に出演しており、注目されている俳優です。
日本語吹き替えを担当したのは、イケメン俳優として有名な志尊淳です。『烈車戦隊トッキュウジャー』で主演を務めると、ルックスと演技力から注目され、『きみはペット』や『ドルメンX』などで主演を任されています。特撮で吹き替えを経験しているため、『バンブルビー』でも安定した演技を発揮しています。
ジャック・バーンズ (ジョン・シナ/楠大典)
View this post on Instagram
トランスフォーマーに仲間を殺された兵士。政府秘密組織セクター7に所属する軍人で、仲間想いな一面を持つ。バンブルビーとブリッツウィングとの戦いで仲間が死亡した事で、バンブルビーに強い敵意を持つ。後から現れたシャッターやドロップキックの話を鵜呑みにしてしまい、地球を危機に晒してしまう。
骨太な軍人を演じたのは、異色の経歴を持つジョン・シナです。アメリカを代表するプロレスラーで、WWE世界ヘビー級王座を3度獲得するなどの活躍をしています。リングの外ではラッパーとコラボしたり、映画に出演したりと様々な活動を行っています。
日本語吹き替えを担当したのは、ベテラン声優の楠大典です。『スターウォーズ』シリーズの二代目ダース・ベイダーを担当しているほか、アニメ版『トランスフォーマー』シリーズにも数多く出演。実写版『トランスフォーマー』でも声優を担当している事もあり、ファンにとっては嬉しい登場となっています。
オプティマス・プライム (ピーター・カレン/玄田哲章)
View this post on Instagram
オートポットの司令官。バンブルビーを地球に送りこみ、仲間を守る為に最後まで戦場に残って戦う勇敢さを持つ。ディセプティコンにしてみれば最大の脅威であり、オプティマス・プライムの居場所を知る唯一の手掛かりとして、バンブルビーは狙われる。
バンブルビーは設定上、声優が作品ごとに違います。しかし、実写版『トランスフォーマー』シリーズのオプティマス・プライムは、常にピーター・カレンが演じています。アメリカで放送されたアニメ版でもオプティマス・プライムを担当しているため、ファンがイメージする声となっています。
日本語吹き替えを担当したのは、日本語版アニメの『トランスフォーマー』でオプティマス・プライムことコンボイを演じ玄田哲章。日本のファンにとってはオプティマス・プライムの声は玄田哲章以外考えられないと言われており、当時は署名活動まで行われていました。
ブリッツウィング (デイビット・ソボロブ/山岸治雄)
_人人人人人人人人_
> さあ、戦いだ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄🌏地球にやってきた #バンブルビー と最初に戦うディセプティコンが、『戦え!超ロボット生命体 #トランスフォーマー』にも登場していたブリッツウィング⚡
ビーとのバトルは大興奮まちがいなしです😆#スタースクリームじゃないよ pic.twitter.com/zfm6phzl4H— 『バンブルビー』公式 (@Bumblebee_JP) 2019年3月7日
ディセプティコンの兵士。地球に到着したばかりのバンブルビーを追いかけ、セクター7の兵士に大量の犠牲者を出した原因。バンブルビーに倒され破壊された。
声を担当したのはカナダ出身のデイビット・ソボロブです。アメリカのアニメ版『トランスフォーマー』シリーズで、ショックウェーブというキャラクターを演じており、ファンに馴染み深い声です。
日本語吹き替えを担当したのは、吹き替え作品に多数出演している山岸治雄です。短いシーンですが、バンブルビーを追い詰めた事もあり印象的なシーンとなっています。
シャッター (アンジェラ・バセット/悠木碧)
ディセプティコンの女兵士。残忍な性格をしているが、バンブルビーからオプティマス・プライムの情報を聞きだす為なら何でもする。セクター7の協力を取り付けるために、バンブルビーが悪人だと嘘を吐く。
『バンブルビー』のメインヴィランを務めたのは、アンジェラ・バセットです。1993年の『TINA ティナ』でゴールデングローブ賞を2つ同時に受賞した、アフリカ系アメリカ人女優として注目された人物です。
日本語吹き替えを担当したのは、人気と実力を兼ね備えた声優の悠木碧です。『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどかや、『幼女戦記』のターニャのように、可愛らしい女の子から冷徹な軍人まで幅広く演じられる声優です。
ドロップキック (ジャスティン・セロー/濱野大輝)
ディセプティコンの兵士。シャッターとコンビを組んでおり、彼女に劣らない残忍な性格をしている。しかし、他の惑星の住人を下に見ており、バンブルビーを捕まえるためにセクター7に協力を求めるのは嫌悪感を示していた。
声を担当したのは、俳優のみならず脚本家や映画監督、映画プロデューサーとしても活躍するジャスティン・セローです。
日本語吹き替えを担当したのは、濱野大輝です。『遊☆戯☆王VRAINS』や『アイドルマスター SideM 理由あってMini!』などに出演しており、キャリアを積んだ声優です。
映画『バンブルビー』の見所は?
孤独な少女と記憶を失ったロボットとの心温まるストーリー
監督のトラヴィス・ナイトは『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は家族愛をテーマにした作品で、高い評価を受けました。その手腕は『バンブルビー』でも発揮されており、父親を亡くしたチャーリーがバンブルビーと触れあっていくうちに、元の明るさを取り戻していくのは胸を打たれます。バンブルビーも、戦争ばかりに明け暮れていて記憶喪失とはいえ心が疲れていて、地球での驚きや戸惑いが癒しとなっていきます。
そんな2人の異星交流は長く続きませんが、2人にとってみれば得難い経験となります。特にバンブルビーはチャーリーとの絆として、付けてもらった名前を大切にし、他のシリーズでは常に人間の味方であり続けようとします。2人の友情は、本作の見所となっています。
コミカルで可愛らしいく、激しいアクションもこなすバンブルビー
『トランスフォーマー』シリーズは、様々なトランスフォーマーが敵味方に入り乱れて戦うため、日常シーンが非常に少ないです。しかし、『バンブルビー』はトランスフォーマーの数を減らし、主人公のバンブルビーにスポットを当てています。海岸で不器用に隠れる特訓をしたり、お留守番中に家の中をめちゃくちゃにしてしまうなど、バンブルビーが大きなペットのように見えてきます。それでいて、戦闘になればチャーリーやメモを守りながらも果敢に戦っていくギャップが魅力となっています。『バンブルビー』は『トランスフォーマー』シリーズ最新作ですが、時間軸だと一番古い作品になります。なので、『トランスフォーマー』シリーズを見ていなくても楽しめますし、『バンブルビー』を見てバンブルビーを気に入ったら、『トランスフォーマー』シリーズを順番に見てみるのもアリです。
映画『バンブルビー』の感想・評価
『バンブルビー』は高評価が多いです。
“バンブルビーと主人公の少女との交流が細やかに描かれており、全体を通じて感じた印象は、ロボットSF映画というより、人間味あふれるヒューマンドラマだということでした。”
『バンブルビー』の魅力は、やはりチャーリーとバンブルビーの交流にあります。幅広い世代に支持されており、家族で見ても感動できる映画となっています。
“バンブルビーとの別れはゴールデンゲートブリッジ。悲しい別れだけど、爽やかな風が流れます。最後には母と再婚した父を認めて家族は円満に。絵に描いたようなハッピーエンド。”
『トランスフォーマー』シリーズは、どうしても続編がある事を想定して作っているため、次回作の伏線や不穏な空気が残ってしまいます。しかし、『バンブルビー』は本作で完結しているため、見た人の満足感が高くなっています。
“バンブルビーけっこう強い。そしてかわいいですね。少女との交流も楽しくって、青春映画って感じでした。戦うばかりよりこっちの映画の方が好きかも。思いのほか、よかったなー。“
『バンブルビー』は他の『トランスフォーマー』シリーズに比べれば、戦闘シーンが少ないです。しかし、映画のテーマが青春映画のような爽やかさなので、あまり気になりません。
映画『バンブルビー』の動画配信情報
『バンブルビー』は、動画配信サービスでは配信されていません。ですが、他の『トランスフォーマー』シリーズは動画配信サービスで配信されているため、配信される可能性は高いです。その中でも、U-NEXTは最新映画を最速配信しているため、『バンブルビー』が一斉にレンタル・配信されるよりも前に見られるかもしれません。
『バンブルビー』はセクター7の誕生した経緯やサイバトロン星で何が起きていたのか等の、作品の根幹にかかわる情報はほとんど出てきていません。多くの情報は『トランスフォーマー』シリーズに登場しており、『バンブルビー』を視聴する前や、視聴した後にでも見れば、作品をより深く理解できます。
動画配信サービスでは『トランスフォーマー』シリーズ以外にも、マイケル・ベイの作品などを配信しています。dTVやビデオパスでは、無料ポイントで『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』が視聴できます。
この機会に、ぜひ見てみましょう。