「永遠の0」などで有名な百田尚樹さんの作品、小説「フォルトゥナの瞳」が実写映画化されました。
神木隆之介さん・有村架純さん主演、「死を目前にした人間が透けて見える」という不思議な力を持った青年の物語です。
今回は映画「フォルトゥナの瞳」あらすじやネタバレ、ロケ地の奈良県の情報、主題歌などをご紹介します!
Contents
映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ①
木山慎一郎(神木隆之介)と桐生葵(有村架純)の出会い
幼少期に飛行機事故で両親を失った青年、木山慎一郎。それ以来、慎一郎は友人も恋人も作らず仕事のみに生きてきました。
ただ黙々と車を磨くことが慎一郎の毎日。そんなある日、慎一郎は不思議な体験をします。電車で隣に立った男性の手が透けて見えたのです。
その時は特に気にしなかったものの、数日後、今度は手どころか腕・顔も透けている男性を目撃します。後をつけると、なんといきなりその男性は車にはねられ死んでしまいます。
そして慎一郎は自分が「死を目前にした人間が透けて見える能力」―フォルトゥナの瞳を持っていることに気づきます。
指先から透明化が始まり、手・腕と進んでいき、透けて見えた人間は数時間〜数日で死に至る。つまり、慎一郎は人の運命を変えられる力を持ってしまったのです。
そんな特殊な能力を持っていることに苦悩する中、偶然入った携帯ショップで慎一郎は桐生葵(有村架純)に出会います。
笑顔が素敵で、機転を利かせてガラケーを直してくれた葵に慎一郎は好感を持ちます。後日いよいよガラケーが機能しなくなったので、慎一郎は再び携帯ショップへと向かいます。
フォルトゥナの瞳とは?
フォルトゥナの瞳とは、「死を目前にした人間が透けて見える」瞳のこと。
運命の女神”フォルトゥナ”がこの語源のようです。
桐生葵(有村架純)の運命を変える
再び携帯ショップに行き、葵に修理を頼む慎一郎でしたが、なんと彼女の指先は透けて見えました。
ショックで一度お店から逃げる慎一郎でしたが、勇気を出して葵を仕事終わりに誘い出します。仕事終わりに待ち合わせたカフェにやってきた葵。その時彼女の指先は透明に見えませんでした。
葵が死から回避できたことで慎一郎は素直に喜びます。
「なぜ、私を誘ったんですか」と聞く葵に、「俺、人の運命が見えるんです。良かった救えた」と慎一郎は答えます。もちろん葵は不思議そうな顔をするので、変なことを言ってしまったと慌ててカフェから飛び出す慎一郎。
慎一郎は葵を救えたと安心して帰ろうとしたその時、突然胸を激しい痛みが襲います。
葵の命を救ったことで人生に少し前向きになれた慎一郎は、GARAGEENDO2号店の店長をやってみないかという社長からの話を引き受けることに。
仕事も順調な頃、慎一郎のところへ葵が訪ねてきます。「私の命のお礼にきました」と言う葵。
実は葵を誘ったあの日、葵がいつも通る帰り道で工場の爆発事故が起こっていたのです。もし慎一郎が誘わなければ、葵はその事故に巻き込まれて死んでいました。
「ただの偶然だ」と頑なに自分の能力を隠す慎一郎でしたが、それでも葵は慎一郎に救われたと疑わず感謝します。
社長の命を救うが病院送りに
ある日、本店を訪ねた慎一郎は、社長の遠藤哲也(時任三郎)と金田大輝(志尊淳)が揉めている現場に遭遇します。金田は客の車を無断で遊びに使っていました。
遠藤に「クビだ!出て行け!」と怒鳴られた金田は、悪態をつきながらその場を後にします。
その夜、事務所で仕事をしていた遠藤の手が透けていることに気づく慎一郎。親代わりでもある遠藤を絶対に救おうと、食事に誘います。
食事に向かう二人でしたが、どんどん透明になっていく遠藤。その時突然金田が現れ、バットで遠藤に襲いかかろうとします。
ギリギリのところで慎一郎は遠藤をかばい、バットが慎一郎に直撃。
それと同時に襲ってきた胸の激痛に耐えられず、気を失った慎一郎は病院に運ばれます。遠藤の体はもう透けていませんでした。
病院で診察を受けた慎一郎は、医師・黒川武雄(北村有起哉)に「人の運命を変えると、その代償を支払うことになる」と忠告を受けます。
黒川も慎一郎と同じくフォルトゥナの瞳を持っていました。
人の運命を変えることは、もはや神の領域であり、フォルトゥナの瞳で人の命を救うことは自分の命をも削ることになるというのです。
そんな事件もあり、慎一郎は人生を考え直し、以前から気になっていた葵に告白します。もちろん葵の答えはイエス。二人は付き合い始めます。
ここから先はネタバレを含みます!
ネタバレあり! 映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ②
フォルトゥナの瞳に苦悩する慎一郎
慎一郎は葵との愛も順調に育み、さらには社長に直談判し2号店に金田を引き入れ平穏で幸せな毎日を送っていました。
そんなある日、GARAGEENDO本店の顧客・宇津井和幸(DAIGO)がフェラーリに乗って慎一郎の元へやってきます。
宇津井は以前GARAGEENDOの受付嬢であった植松真理子(松井愛莉)を口説き、貢がせた挙句、風俗で働かせる最低な男。
さらに宇津井とその連れは慎一郎のことをバカにします。それにキレた金田が宇津井に掴み掛かりますが、慎一郎が止めに入りなんとかその場は収まります。
後日フェラーリを受け取りにきた宇津井でしたが、慎一郎には宇津井の手が透けて見えました。
そのまま行かせれば宇津井が死ぬことが分かっていましたが、真理子のこともあり、慎一郎はそのまま車のキーを渡してしまいます。
案の定、宇津井は居眠り運転で死亡。そのことにより、助けられた命を見殺しにしたと、慎一郎は罪の意識に苛まれます。
葵にも思わずその感情をぶつけて怒鳴ってしまい、自己嫌悪に。さらに「慎ちゃんは弱いね。」と葵から言われてしまいます。
そんな日々の中、公園で遊ぶ園児の体が全員透けて見えたり、朝の電車に乗る人々の体が透けて見えたりと、今までにないくらい多くの人々が透けて見えるようになります。
その後なんとか二人は仲直りしますが、慎一郎は再び葵の体も透けていることに気がつきます。
再び葵の命を救うことを決意
葵の体が透けて見えたこと、園児や電車に乗るたくさんの人々が透けて見えたことで、慎一郎は数日後に多くの人の命を奪う何かが起こると予測します。
そして以前葵が早番で早朝に電車に乗る日があること、透けて見えた園児が遠足で電車に乗ることなどの情報から、慎一郎は大規模な列車事故が起きると確信します。
葵を助けるために列車事故が起こるであろう日に、慎一郎は葵を沖縄旅行へと誘います。もちろん旅行は葵を助けるための嘘でしたが、二人は約束します。
そして当日、これから多くの人の運命を変えてしまうため、自分の心臓はもたないだろうと葵に手紙を書いていました。
その時、葵から「仕事が休めなくなったから、旅行には行けない」というメールが届きます。
葵が仕事に行くということは、列車事故に巻き込まれるということ。慎一郎は列車を止めようと必死に駅に向かいます。
電車が工事中のクレーンに巻き込まれ事故になる寸前、慎一郎は線路に飛び込み電車を止めることに成功します。
慎一郎は最愛の葵と、電車に乗っていた多くの人の命を救ったのです。
電車から飛び降りた葵は慎一郎の元へ駆け寄りますが、その時すでに慎一郎の心臓は止まっていました。
ネタバレあり! 映画『フォルトゥナの瞳』の結末
シーンは慎一郎のお葬式の後に変わります。その帰り道、慎一郎が救った園児達を眺めながら、葵は慎一郎に語りかけます。
なんと葵も慎一郎と同じく、フォルトゥナの瞳を持っていたのです。
さらに葵も慎一郎が幼少期に体験した飛行機事故の生き残りで、「助けて」と手を伸ばした少女でした。
ずっとその少女のことを救えなかったと苦しんでいた慎一郎。慎一郎は記憶を無くしていましたが、その少女が助かっていたことを葵は知っていました。
そしてフォルトゥナの瞳で慎一郎が死んでしまうことを知っていた葵は、今度は自分が慎一郎を救おうと、自ら電車に乗り込んだのです。結果、葵はまたしても慎一郎に救われたのですが。
「フォルトゥナの瞳を持ってひとつだけ感謝すること。それは、あなたに巡り合えたこと。そしてあなたに愛されたこと。」
と葵は今はなき慎一郎に語ります。
慎一郎の部屋を整理していた葵は、ある袋を見つけます。その中には二人の婚約指輪と、葵への手紙が入っていました。
「フォルトゥナの瞳を持ってひとつだけ感謝すること。それは、あなたに巡り合えたこと。そしてあなたを愛せたこと。」
と手紙には書かれていました。葵と慎一郎はお互い同じことを思い合っていました。
そして葵は婚約指輪を指にはめ、涙を流します。
ここまでが映画「フォルトゥナの瞳」のあらすじ、ネタバレ、結末の全てです。
映画『フォルトゥナの瞳』出演キャストまとめ
木山慎一郎:神木隆之介
ある日突然、不思議な力「フォルトゥナの瞳」を手に入れてしまった青年。過去の飛行機事故をきっかけに、家族も友人もおらず仕事のみに生きてきた。
桐生葵:有村架純
明るく優しい女性。慎一郎の心の支えとなりながらも、死の運命に導かれていく。
金田大輝:志尊淳
慎一郎と共に「GARAGE ENDO」で働く青年。腕はいいが、社長に気に入られている慎一郎のことを良く思っていない。
宇津井和幸:DAIGO
「GARAGE ENDO」の客。常に慎一郎たちに高圧的な態度をとる。
植松真理子:松井愛莉
慎一郎のかつての同僚。ある出来事がきっかけで仕事を辞めてしまう。
黒川武雄:北村有起哉
慎一郎の主治医。「フォルトゥナの瞳」の存在について、慎一郎に教える。
遠藤哲也:時任三郎
慎一郎の働く「GARAGE ENDO」の社長。仕事のみに生きる慎一郎を心配している。
遠藤美津子:斉藤由貴
遠藤の妻。母親のように慎一郎を優しく見守る。
映画「フォルトゥナの瞳」のロケ地は奈良と神戸!
映画「フォルトゥナの瞳」は奈良と神戸を中心に全て関西で撮影されたようです。
榛原駅
#フォルトゥナの瞳
今日は、榛原駅で撮影してたよ。
乗客よりもエキストラのほうがはるかに多い(笑) pic.twitter.com/o2mXSecI09— もっちゃん (@ab45081ab) May 27, 2018
奈良県宇陀市榛原萩原にある榛原駅。事故が起きる列車に、乗客が乗るシーンんで出てきました。
橿原神宮駅
#フォルトゥナの瞳 #百田尚樹 #有村架純 #神木隆之介 #岩田剛典 #志尊淳
今日も橿原神宮で撮影がありました。 pic.twitter.com/M9x8F0pBGK— うちゅうこうだい (@nihoiti1) May 26, 2018
奈良県橿原市久米町にある橿原神宮駅。慎一郎が電車を止めたシーンで使われたようです。
済生会中和病院
#フォルトゥナの瞳 #百田尚樹 #有村架純 #神木隆之介
昨日は奈良県の済生会病院で撮影がありました。 pic.twitter.com/HqGQLKgRHB— うちゅうこうだい (@nihoiti1) May 13, 2018
奈良県桜井市大字阿部にある済生会中和病院。慎一郎と黒川のシーンもここでの撮影ぽいですね。
auショップ甲子園南店
本日はauショップ甲子園南店にイベント出店してます😃 pic.twitter.com/Jxlnr7tw3b
— Lino la Cafe (@LinolaCafe) April 8, 2017
兵庫県西宮市甲子園八番町にあるauショップ甲子園南店。慎一郎と葵が出会った場所ですね!
ハーバーウォーク・兵庫県立舞子公園・アジュール舞子
兵庫県神戸市にある、ハーバーウォーク・アンジュール舞子・舞子公園。
この3つは慎一郎と葵のデートシーンに使われました!
映画「フォルトゥナの瞳」の評価や感想は?

有村架純のファンで、観に行ってみましたが、ストーリーがよくできていて、ラストのシーンには、恥ずかしながら、ボロボロに泣かされてしまいました(//∇//)
わかりやすいストーリーで、途中から少し展開が見えてしまうかもしれませんが、それでも充分感動できるお話です。おすすめです。
宣伝で予想外の結末と煽るのはあまり良くなかったのではないかと思った。しかし良い終わり方だった。
愛する者を得た人間の力強さ、人間の美しく純粋な善の側面に、心が動かされた。恋っていいなあというよりなんだか人間っていいなあと思ってしまった。
なんとなく予想してた通り、同じ三木監督の陽だまりの彼女を観てるような安心感。実際、起承転結がよく似てる。
どちらも基本ファンタジーで、本編中程に幸せな恋人同士のシーンが続いて観ていて幸せな気持ちに。その後に大きな展開。最後はヒロインの秘密が明かされて・・・。舞台はともに海岸沿いの街。本作では舞子公園でのシーンが印象的。
逆光の使い方が上手く、陽だまりの彼女と同様に木漏れ日のシーンが効果的。
野間口さんは安定のレギュラー。それとパタパタ時計も。三木監督らしい期待通りの良作でした。
三木孝浩監督らしく、終盤には「主役の相手」目線で今までのシーンを振り返る映像が流れて、感動を誘う展開となる。しかし、「本当はこう思っていたのか」とか「真実はそうだったのか」とか「今までのことばや行動の積み重ねを改めて見て、込み上げてくる感動」とか「伏線の回収」とかがあまり上手くなかった気がする。どこか淡々としていて、熱量が小さいように感じた。
ただやはり、映像や光の演出は非常に綺麗でよかった。三木孝浩監督は、俳優たちを映えさせる技術には非常に長けていると感じる。
また、有村架純も神木隆之介も、役作りの一生懸命さが伝わってきて、これからも成長と人気上昇を願って応援したいと思えた。
筆者が映画「フォルトゥナの瞳」を見た評価・感想
正直葵視点で語られる、ラスト15分まではなんだか思っていたよりも感動できないなあという印象で見ていました。
しかし、フォルトゥナの瞳が本気を出すのはそのラスト15分。この15分のために、他が作られたといっても過言ではありません。
慎一郎は割とサクッと死んでしまうので、慎一郎が命をかけて葵や多くの人々を救ったシーンにはあまり涙できません。涙腺が崩壊したのは、葵もフォルトゥナの瞳を持っているとわかった時です。
なんせ慎一郎と葵はお互い死ぬことが分かってしまうので、どう考えても二人で幸せな未来を生きていくことはできないんですよね。
葵を助ければ慎一郎は死んでしまうし、慎一郎が死なないためには葵の死の運命を受け入れるしかない。
愛し合う二人なのに、どうもがいても一緒に生きていくことができないなんて悲劇、こんなことってあるのでしょうか。
原作はまた違った物語になっているので、映画と原作小説を合わせるとフォルトゥナの瞳をもっと深く理解できるかと思います。
映画『フォルトゥナの瞳』主題歌・原作・監督・脚本情報まとめ
映画「フォルトゥナの瞳」主題歌・挿入歌
主題歌はONE OK ROCKの「In the Stars (feat. Kiiara)」という曲です。
物語と非常に合っていて、評価や感想の中にも主題歌がいい仕事をしているという意見が多数みられました。
原作小説

原作は百田尚樹さんの「フォルトゥナの瞳」です。
原作小説では、列車事故が起きる理由が異なっていたり、葵が透けるのは最初の一回だけなど映画とは違った展開になっているようです。
映画「フォルトゥナの瞳」監督
フォルトゥナの瞳の監督は、三木孝浩さんです。
他には「坂道のアポロン」や「ぼくは明日、昨日の君とデートする」など、青春恋愛ものが得意なようです。
脚本
フォルトゥナの瞳の脚本は、坂口理子さんが担当しています。
他には「恋は雨上がりのように」や「メアリと魔女の花」などの脚本も担当しています。
映画『フォルトゥナの瞳』の動画配信情報
映画『フォルトゥナの瞳』は、まだ動画配信サイトで配信されていません。配信に関する情報も出回っていませんが、国内最大手のU-NEXTなら配信される可能性が非常に高いです。
U-NEXTでは、レンタル開始前の最新作を先行配信するサービスもあるため、いち早く動画が配信される可能性が高いです。
『フォルトゥナの瞳』が配信される前に、神木隆之介さん・有村架純さん主演のオススメ映画をご紹介します。
有村架純さん主演なら「コーヒーが冷めないうちに」、神木隆之介さん主演なら「バクマン」がオススメです。