2018年に公開された『アリー スター誕生』はレディー・ガガ初主演、ブラッドリー・クーパー初監督作品として大変注目されました。これまでに何度もリメイクされた作品だけに、ハードルが高かったですが、ガガのパワフルな歌声と演技力に世界中が魅了されました。そこで今回は世界中で大ヒットし、アカデミー賞歌曲賞を受賞した『アリー スター誕生』の見所や考察などをまとめましたので、最後までご覧ください。
Contents
映画『アリー スター誕生』の作品情報
公開:2018年(アメリカ)
原題:A Star Is Born
原作:スタア誕生 (1937年公開の映画)
監督:ブラッドリー・クーパー
脚本:エリック・ロス、ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ
キャスト:レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー、アンドリュー・ダイス・クレイ、デイヴ・シャペル、サム・エリオット
製作国:アメリカ
ジャンル:ミュージカル・恋愛ドラマ
音楽:レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー
配給会社:ワーナー・ブラザース映画
世界的ミュージシャンの初主演作
本作は一人の女性が、音楽の世界における「星」になるまでの栄光と凋落を描いた作品になります。本作で初主演を務めるレディー・ガガは、間違いなく「星」と呼ぶに相応しいミュージシャンで、まさにアリーは彼女に相応しい役どころです。
元々、この作品は1937年に公開されたスタア誕生という映画の4度目のリメイク作品になります。本来ならビヨンセが主演を務めるはずだったのが、彼女の妊娠により延期した事で5年近くプロジェクトは凍結していました。2016年にガガが参加すると決定されると、彼女にピッタリなストーリーにファンは期待と興奮を膨らませます。
そして、2018年に封切られた『アリー スター誕生』は多くの人の期待以上の物となっています。初主演作品とは思えないガガの熱演に加え、世界的ミュージシャンの全力の歌声が映画館の大迫力スピーカーで堪能できます。
ガガの恋人役として登場したブラッドリー・クーパーと共同で発表したサントラは、レディー・ガガのニューアルバムと呼んでもおかしくない仕上がりとなっています。特に彼女が作詞した曲の歌詞は、ガガの持つ心に訴えかけるパワーが込められています。
映画『アリー スター誕生』のあらすじ
スターとウェイトレスの運命的な出会い
大観衆を熱狂させるジャクソン・メインは、カントリー歌手としての絶頂期にいましたが、同時にドラッグと酒に溺れる日々を送っていた。兄のボビーのサポートもあり、ライブを成功させたジャクソンは酒を求めて見かけたバーに立ち寄ります。浴びる様に酒を飲んでいたジャクソンの耳に飛び込んできたのは、昼間はウェイトレスとして働くアリーの歌でした。
惹かれあっていくジャクソンとアリー
アリーの歌声に一発で惚れこんだジャクソンは、バーでのライブを終えたアリーに話しかけます。しかし、有名人であるジャクソンの周りには人が集まってしまい、その時に絡んできた客とのトラブルからアリーが怪我を負います。治療のために寄ったお店の駐車場で、ジャクソンはアリーの中にある音楽センスの高さに魅了され、同時に彼女の人柄に惹かれていきます。
世界がアリーに魅了される
後日、ジャクソンは自身のライブにアリーを引っ張りだします。それまで、自分に自信が持てなかった事が原因で実力を出せないでいたアリーでしたが、ジャクソンの期待に応えるように大観衆の前で熱唱すると、観客を魅了します。アリーは手ごたえを感じるのと同時に、自分にきっかけをくれたジャクソンに恋をするようになり、二人は恋人へと発展します。
スターへの道を進むアリー
ジャクソンのライブに出演したことがきっかけで、アニーは歌手としてデビューします。彼女の歌声は世界中に広まっていき、順調にキャリアを積み重ねていきます。
ボロボロになっていくジャクソン
スポットライトを浴びて成功していくアリートは対照的に、ジャクソンは精神的に苦しんでいきます。幼少期のトラウマが原因の難聴は酷くなっていき、アルコール依存症により酒の量が増えていきます。支えてくれたボビーの忠告を聞かず、今にも崩れそうな体を押してライブへと立ちます。
結婚するジャクソンとアリー
ツアーの途中で訪れた故郷でジャクソンは旧友のヌードルスと再会します。幼馴染との語らいは精神的に苦しんでいたジャクソンの助けになり、彼の後押しもあってジャクソンとアリーは結婚します。それを祝福するようにアリーは益々活躍していきますが、対照的にジャクソンはアリーへの嫉妬心が抑えきれず、薬や酒で誤魔化そうとします。
スターの転落
遂にアリーはアーティストとして、最高に名誉のあるグラミー賞にノミネートされます。ジャクソンも会場に出席する中、なんと彼女の名前が読み上げられます。新人賞を獲得したアリーが壇上に上がりスピーチを始めようとしますが、しかしそこに泥酔状態のジャクソンが乱入してしまいます。正常な状態じゃないジャクソンは支離滅裂な言動を繰り返し、更にはカメラの前で失禁をしてしまいアリーの晴れ舞台を汚してしまいます。
ここから先は、結末ネタバレをご覧ください。
映画『アリー スター誕生』の結末ネタバレ
施設に入るジャクソン
グラミー賞での失敗がきっかけとなって、ジャクソンはアルコール依存症を克服するリハビリ施設に入所します。アリーも妻として献身的なサポートをしていくうちに、ジャクソンの体調が良くなってきます。一方でミュージシャンとしてこれからが大事なアリーが、ジャクソンの看病だけに時間が取られていくのをアリーのマネージャーは快く思いません。
不用意な一言が生んだ悲劇
アリーはジャクソンを自分のツアーに出したいと思うようになります。マネージャーに相談しますが、残念ながら断られてしまいます。すると、アリーは自分の条件を受け入れないとツアーはしないと宣言したのです。困り果てたマネージャーは、アリーが不在の時にジャクソンに対して、これ以上アリーの成功を邪魔するなと言いはなってしまいます。すると、ジャクソンはベルトを持ってガレージに行き、自ら命を絶ってしまいます。
ジャクソンの死とアリーのラブソング
ジャクソンの自殺はアリーに大きなショックを与えます。遺品を整理している中でアリーはジャクソンが書いた詞を発見します。薬と酒に苦しみながらも綴られたメッセージを受け止めたアリーは、ジャクソンの追悼ライブで彼の遺した歌を熱唱します。
以上が『アリー スター誕生』のネタバレあらすじになります。
映画『アリー スター誕生』の登場人物とキャスト
アリー (レディー・ガガ)
✨\Happy New Year!!/✨
2019年あけましておめでとうございます🎍
今年もワーナー ブラザース ジャパンをよろしくお願いします‼.。oO( …ということで2019年開幕第一声に、ただいま大ヒット公開中『アリー/ #スター誕生』のレディー・ガガ様よりお祝いコメントを頂戴しましたのでご覧ください✨ pic.twitter.com/aQXR0b4wke
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) 2018年12月31日
天才的な歌声と音楽センスを持ちながら、自分に自信が無い女性。歌手になる事を夢見て、バーのウェイトレスをしながら舞台に上がるが、デビューのきっかけを掴めずに苦しむ日々を過ごしていた。そんなある日、バーに立ち寄ったジャクソンと運命的な出会いを果たした事で、スターへの道を駆けあがっていく。
演じるのは本作が初主演作になるレディー・ガガです。公開前は演技力が不安視されていましたが、蓋を開けてみれば自然体な演技でアリーを熱演。世界を熱狂させる歌声は、この映画の魅力を引き上げています。
ジャクソン・メイン (ブラッドリー・クーパー)
< 5年ぶり来日決定!ヤッター!!
12/21公開『アリー/ #スター誕生』監督で、レディー・ガガ演じるアリーを、全身全霊でサポートする世界的ミュージシャン・ジャクソンとして主演をつとめたブラッドリー・クーパー来日が決定!12/11のジャパンプレミア出席&レッドカーペットイベントを行う予定です! pic.twitter.com/6GaDL8BXSl
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) 2018年11月20日
ロック界のスターでありながら、暗い影を持つ男。カントリー歌手として高い知名度を持っていますが、周囲の重すぎる期待からアルコール依存症を患っている。偶然立ち寄ったバーで聞いたアリーの歌声にほれ込み、彼女を導いていきます。
1998年の『セックス・アンド・ザ・シティ』で有名になったブラッドリー・クーパーは、本作で主演だけでなく初監督も務めています。栄光の架橋を昇るアリーとは対照的に、スターから落ちていくミュージシャンという難しい役どころを見事にこなしながら、なおかつ監督としての手腕を発揮しており、更なる活躍が期待される俳優です。
ボビー (サム・エリオット)
【速報】第91回 #アカデミー賞 で、『アリー/#スター誕生』が録音賞・撮影賞・脚色賞、そして出演するサム・エリオットが助演男優賞にノミネート!
歌曲賞には「シャロウ ~『アリー/スター誕生』愛のうた」がノミネートされました! pic.twitter.com/FHmHbuuxGJ
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) 2019年1月22日
栄光の影で苦しむ弟を支える兄。歌手として有名になるほど苦しんでいくジャクソンを、公私に渡ってサポートしているが、ジャクソンとは歌の事や父親の事で対立する場面もある。
ガガとブラッドリーの演技に負けない存在感を放っているサム・エリオットは、ベテランの俳優です。1969年に公開された『明日に向かって撃て!』でデビューすると、ゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、確かな実績と実力を持っています。
ロレンツォ (アンドリュー・ダイス・クレイ)
アリーの父親。スターとして活躍する娘を誇らしく思いつつも、心配する良き人物。
登場シーンは少ないですが、アリーの心を思いやる演技をしたのは、1980年代のコメディ回のキングと呼ばれたアンドリュー・ダイス・クレイです。映画のみならず、ドラマにも多数出演しています。
ジョージ・”ヌードルス”・ストーン (デイヴ・シャペル)
ジャクソンの幼馴染として背中を押した友人。ジャクソンとは違い、故郷に残っていたためジャクソンの苦悩を理解できないが、それでも心配する優しさを持つ。
演じるデイヴ・シャペルは俳優としても、コメディアンとしても成功した人物です。4年間で1500ものステージをこなし、チケットは発売して数分で完売されるほどの人気を博しています。
映画『アリー スター誕生』の見所
レディー・ガガとブラッドリー・クーパーの熱演
本作はレディー・ガガとブラッドリー・クーパーのダブル主演作となります。映画の大部分が二人のシーンとなっていますが、スターに続く輝かしい未来を進むアリーと、スターから転落してしまうジャクソンを演じきった二人の演技力は素晴らしいとしか言えません。ミュージシャンであるガガが、ここまでの演技をした事に批評家ですら絶賛しています。また、物語の後半からはブラッドリー・クーパーの登場シーンが増えていき、アリーの成功を妬ましく思うジャクソンの苦悩を丹念に描いており、非常に見ごたえのある映画となっています。
アカデミー賞歌曲賞獲得!レディー・ガガの歌声に酔いしれる
演技力を評価されたガガですが、やはり本作を語る上で外せないのは彼女の歌です。ガガが持つ天性の歌声は、映画の魅力を引き上げており、まるでガガのライブを映画館で堪能しているかのような心地よさがありました。また、ブラッドリー・クーパーもカントリー歌手として歌うシーンが幾つもあるのですが、艶と張りの歌声はガガに劣らない美声です。意外な事にブラッドリー・クーパーは音楽経験がありません。この映画を撮影するためにギターやピアノ、ボーカルのレッスンを繰り返して特訓したそうです。二人の名義で出したサントラは、15か国以上のチャートで1位を獲得し、中でもメインテーマ曲と言える『Shallow』はアカデミー賞歌曲賞を受賞しました。
単なるミュージカル映画で終わらない
本作のジャンルは、ミュージカル・恋愛ドラマになります。確かに要所要所でミュージカルシーンが入り、アリーとジャクソンの恋愛ドラマがどんな結末を迎えるのかは魅力ですが、『アリー スター誕生』には強いメッセージが込められています。それはアルコール依存症やドラッグの怖さです。映画の中盤からジャクソンは精神的に追い詰められていき、酒や薬の量が増えていき、最終的には悲しいエンディングを迎えます。アリーが作品の光なら、ジャクソンの依存症は作品の影と言えます。どうしてこの映画でここまで依存症について語られているかというと、実はブラッドリー・クーパーもアルコール依存症で苦しんでいた時期があったのです。その時期があったからこそ、本作での演技に非常に説得力があり、高いメッセージ性のこもった映画となっています。
映画『アリー スター誕生』の考察
アリーのラストシーンの意味
物語はジャクソンの追悼コンサートで、アリーがジャクソンの詩を使った歌を弾き語りして終わります。この時、アリーの視線はスクリーンを越えて観客に突き刺さるような、カメラ目線となっていますが、実は映画の中でカメラ目線なのはこのラストシーンだけです。監督としてインタビューに答えたブラッドリー・クーパーは、このラストシーンでアリーというスターが誕生したと答えています。ジャクソンの死後、アリーはショックのあまり自宅に篭る日々が続いており、とてもじゃないですが大勢の前で歌えるような精神状態ではありません。それなのに、大観衆の前に立ち歌うというのは、大変な勇気がいる行為です。
大衆受けを気にして自分の色を失いつつあったアリーの歌に、元の自分らしさが戻る瞬間でもあります。この瞬間のためにジャクソンは命を絶ったとも言えるでしょう。
ガガもこのラストシーンでのアリーは、勇気を持って前に進む女性として演じたと語っており、アリーを象徴するラストシーンとなっています。
ジャクソンの生い立ち
この映画のもう一人の主役であるジャクソンは、暗い過去を背負っています。映画ではジャクソンの生い立ちに関して幾つかの情報が提示されています。ジャクソンが患っている難聴は父親が持っていた蓄音機に頭から突っ込んで聞いていたのが原因で、その父親も酒に依存していた事。そして、兄であるボビーとジャクソンは腹違いの兄弟という事です。映画ではこれ以上の情報はあまり提示されていませんが、父親の影響を受けてカントリー音楽を歌うジャクソンに対して、ボビーは苦言を呈しています。カントリー音楽は古い曲ばかりで、新しい曲に挑戦しないジャクソンに怒りを向けるシーンもあります。ジャクソンも自覚があるのか、苦しそうな表情だったのが印象的です。音楽の趣味や酒への依存など、ジャクソンは父親と同じ道を歩んでしまっています。その事を自覚し苦しみながらも、抜け出せずにいた事がラストシーンに繋がったのではないかと推測できます。
『アリー スター誕生』の感想・評価
『アリー スター誕生』の感想は大半が高評価となっています。
“売れない歌手のガガ様がどんどん出世していくのだが、ガガ様の圧がすごすぎて売れてない頃からどう見ても既にスターの貫禄!”
レディー・ガガの演技力とパフォーマンスが目立っていました。スクリーン越しでもガガから発せられる存在感が強く、まさにスターという表現がピッタリです。演技だけならガガよりも上手い人は大勢いますが、圧倒的な存在感と歌唱力を兼ね備えた女優はいません。まさに、ガガの為の役だったといえます。
“レディー・ガガやブラッドリー・クーパーの歌が非常に魅力的で、それだけで感動を誘う。ストーリーもそんな歌の数々に導かれるように、とても切なくて哀しい内容に仕上がっているのが印象深い。”
アリーはミュージカル映画のため、シーンに合わせた楽曲が多数用意されています。ガガのパワフルな歌声に加えて、ブラッドリー・クーパーのしっとりとした歌声は作品の内容に非常にマッチしていて、魅力を高めています。
一方で批判的な意見もあります。
“誰にも感情移入できない”
物語を盛り上げるためとはいえ、唐突なシーンが幾つかあったのは否定できません。例えば、アリーの歌声が素晴らしいのは分かりますが、彼女を自分のツアーに連れて行くのは、ジャクソンの歌を聞きに来ているファンに失礼なのではという意見もあります。
映画『アリー スター誕生』の動画配信情報
『アリー スター誕生』は、まだVODで配信されていません。配信に関する情報も出回っていませんが、国内最大手のU-NEXTなら配信される可能性が非常に高いです。U-NEXTでは、レンタル開始前の最新作を先行配信するサービスもあります。
『アリー スター誕生』が配信される前に見ておくべきミュージカル映画があります。それは『ラ・ラ・ランド』です。2016年に公開されると、明るい音楽にエマ・ストーンの演技が話題になり、アカデミー賞をいくつも獲得した映画です。音楽・男女のドラマ・栄光と挫折などアリーと似ている部分がいくつかありますが、アリーとは違ったエンディングを迎えています。
『ラ・ラ・ランド』を配信しているVODをまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
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登録日から月末 |
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上記の表の通り、映画『ラ・ラ・ランド』を無料で見られるのは、auビデオパス・U-NEXT・hulu・Amazon prime video・dTVの5つとなります。
アリー配信までの休日のお供にいかがでしょうか?