映画『3月のライオン』キャスト・あらすじネタバレ!感想と評価は? 配信サービスまとめ

身一つで勝負の世界で生きるプロの棋士、カッコいいですよね。
最近では、中学生でプロ棋士としてデビューするや、歴代最多連勝記録29連勝を達成した藤井壮太プロの大活躍が記憶に新しいところです。そんな話題のプロ棋士を題材にした漫画や映画の人気が高まっています。

映画「3月のライオン」も、若き高校生棋士が主人公のお話です。原作漫画は2007年に発表されているので、藤井壮太プロが世に注目される以前からってことになりますね。女性ファンも多く、NHKで放送されたアニメ版も話題になりました。

映画では、プロ棋士たちが繰り広げる壮絶な勝負の世界と、孤独な主人公と彼を取り囲む人たちの人間模様が温かく描かれています。将棋のことはまったくわかりませんが、十分楽しめる作品でした!

そんな映画「3月のライオン」の魅力と、お得に視聴できるVODサービス情報をお伝えします。

映画『3月のライオン』の作品情報

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漫画「3月のライオン」の原作者は、かの名作「ハチミツとクローバー」の作者、羽海野チカさん。棋士という厳しい世界を描いているのに、作品が優しさに溢れているのは、女性ならではの視点によるところもあるのでしょう。
いわゆる”普通”からは外れた人間の葛藤や成長を、静かに、激しく描くところも、羽海野作品ならではといったところ。

羽海野さんは本作について、以下のようなツイートもしています。

そう、これ将棋漫画じゃないんです。将棋を職業にする一人の人間の人生を描いている。だからこそ将棋がわからない人でも共感できる場面がたくさんあるのでしょう。

映画は前編と後編の2部作で、主人公が苦悩しながらも成長していく姿を丁寧に描いています。

原作:羽海野チカ「3月のライオン」1巻~14巻(2018年12月)
監督:大友啓史
脚本:大友啓史、岩下悠子、渡部亮平
主要キャスト:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、高橋一生、佐々木蔵之介、加瀬亮、伊藤英明、豊川悦司
制作国:日本
ジャンル:青春
主題歌:「Be Noble」ぼくのりりっくのぼうよみ(前編)/「春の歌」藤原さくら(後編)
配給会社:東宝、アスミック・エース
公開時期:2017年3月18日(前編)/2017年4月22日(後編)

なんで将棋の話なのに「3月のライオン」なの?

タイトルからは将棋のお話だとは、わかりにくいですよね。これは、春の訪れをあらわすイギリスのことわざ「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る(March comes in like a lion and goes out like a lamb)」からヒントを得たものなんだとか。

プロ棋士の世界では、毎年6月に順位戦が始まり、昇級や降級を決める最終局は翌年の3月に行われます。そのため、3月は自らの進退をかけて、棋士がライオンのようになることから、上のことわざにかけて「3月のライオン」というタイトルになったそうです。

映画『3月のライオン』のあらすじ

中学生でプロ棋士としてデビューした桐山零は、東京の下町に一人で暮らしている。幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人である棋士の幸田に引き取られたが、自分のせいで幸田家に亀裂が入り、家を出るしかなかったからだ。深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、零は近隣の町に住む川本家の3姉妹と出会い、彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。温かな支えを胸に、闘いへと飛び込む零。若手NO.1を決める新人戦、最高峰を決める師子王戦― それは、様々な人生を背負った棋士たちが、頭脳と肉体と精神のすべてを賭ける壮絶な闘いだった。
ところが、ある事件が川本家を襲い、さらに3姉妹を捨てた父親が現れ、耳を疑う要求を突き付ける。一方、幸田家も子供たちが父に激しく反発し、崩壊へと向かっていく。大切な人たちを守るため、強くなるしかない― 新たな決意のもと獅子王戦トーナメントに挑む零。トップには、将棋の神の子と恐れられる宗谷名人が待ち受けていた─。

参照:映画「3月のライオン」公式サイト/アスミックエース

映画『3月のライオン』の登場人物とキャスト

ハッキリ言って、この映画、出演者が豪華すぎます!
今回、紹介する主要キャストだけでも10人!だって誰も外せないんだもの。
本当はもっと紹介したいくらいですが、泣く泣く前田吟さんと伊勢谷友介さんを削りました。

画面からバシバシ伝わってくる気迫ある演技に、どんどん引き込まれてしまい、ヒール役にまで共感を抱いた珍しい作品でした。

映画『3月のライオン』登場人物とキャストの紹介

桐山零(きりやま れい)/神木隆之介

孤独な天才高校生棋士、桐山零を演じるのは神木隆之介さん。2歳でCMデビューを果たし、かわいい子役のイメージが強い神木さんですが、彼ももう25歳。

本作で棋士を演じるにあたり、本物のプロ棋士から指導を受け、さらにはアマ初段免状も授与されたそう。孤独を抱えた少年棋士という役どころなので神木スマイルが全開になることはありませんが、揺れる気持ちや感情を押し殺した抑えた演技にぐっと心を掴まれてしまいました。桐山零が乗り移ったかのような演技は圧巻です。

幸田香子(こうだ きょうこ)/有村架純

朝ドラ「ひよっこ」で国民的女優の地位を不動のものにした有村架純さんは、桐山零が引き取られた幸田家の長女香子役に。本作では、主人公零を執拗にいじめる、プライドが高く気性の激しい義姉を演じています。性格の悪さたるや、有村さんのイメージが一転するほど!
「ひよっこ」の純朴で優しいみね子の面影は一切ありません。陰湿な話し方といい、斜に構えた笑い方といい、どれをとっても意地悪!有村架純ってこんな役もできるんだなと、有村さんの新たな一面を垣間見た思いです。よくぞここまで、やってくれた!

川本あかり/倉科カナ

道に倒れていた零を助けたことから親交が始まる川本3姉妹の頼れる長女、川本あかり役はこれまた朝ドラ女優の倉科カナさんが演じています。
主演からわき役まで演技の幅が広い女優さんで、数多くの作品に出演している倉科さんですが、今回は、笑顔で家族を支えるかわいいお姉さんという役どころ。零が対局や意地悪な有村架純に傷つけられることの多い本作では、癒し担当ともいうべきポジションを確立しています。

二海堂晴信(にかいどう はるのぶ)/染谷将太

零の幼い頃からのライバルであり、友達である二階堂晴信には、個性派俳優の染谷将太さん。二階堂は病気のせいで太っているのですが、染谷さんは特殊メイクを施し臨んでいるそうです。
一瞬、バナナマンの日村さんかと思うほどに、染谷さんの面影はゼロ。染谷さんは、実在の棋士村山聖(むらやまさとし)の生涯を描いた映画「聖の青春」にも出演していますが、二階堂のモデルとなったのが、この村山棋士なんだとか。

川本ひなた/清原果耶

零と親交を深める川本3姉妹の二女ひなたを演じるのは、個人的には今もっとも注目している女優・清原果耶さんです。まだ16歳と若い女優さんですが、役を読み取る力と、人の心にうったえかける演技力は必見です!
NHKドラマ「透明なゆりかご」でADHD障害をかかえながらも、産婦人科で命と真摯に向き合う看護師見習いの高校生を演じていた清原さんには、毎週泣かされました~。
本作でも、壮絶ないじめを受け、川べりで大泣きしながらも、「後悔なんてしない。私のしたことは絶対に間違ってなんかない!」と言い切る姿に、また泣かされました。

後藤正宗(ごとう まさむね)/伊藤英明

零が敵視する先輩棋士、後藤正宗を演じるのは伊藤英明さん。一流棋士ながらも、私生活では入院中の妻がいるのに香子とも不倫関係を続け、しかも悪びれないというゲスな役どころ。
伊藤さんというと、「海猿」や男性用化粧品のコマーシャルなどで肉体派俳優のイメージが強いと思いますが、今回は一切脱いでません(笑)。本作では、将棋盤の上で苛烈な戦いを繰り広げていて、とにかく目力がスゴイ!
いちいち凄みを利かせるから怖いったらありゃしない。後藤が将棋を指すシーンは、なぜか格闘技に見えるほどです。

幸田柾近(こうだ まさちか)/豊川悦司

零の亡くなった父の友人で、プロ棋士であり、零の育ての父となる幸田柾近には、豊川悦司さん。豊川さんの全盛期を知る世代としては、豊川さんのいい意味での老けっぷりに感慨深い思いでした。
もちろん役に寄せていることはわかるのですが、年齢的にも棋士としても枯れかけ、老いに向かう男性の姿をがとてもリアルなんです。朝ドラ「半分、青い。」で演じたサイケな漫画家とのフリ幅が大きくて、改めて良い役者さんだな~と思いました。

林田高志(はやしだ たかし)/高橋一生

零の高校の教師であり、友達のいない零にとって唯一の理解者である林田高志は、低音ボイスが魅力的な高橋一生さんが演じています。一見、軽そうなんだけど、実はわかってる系男性を演じさせたら、高橋さんはピカイチじゃないでしょうか。
今回の林田先生役でも、生徒である零に対局料を聞いちゃう俗っぽい一面と、本質を突いた言葉をかける大人な一面とを、見事に融合させています。

島田開(しまだ かい)/佐々木蔵之介

山形出身で地元の期待を一身に背負うプロ棋士島田開には、佐々木蔵之介さん。普段は温厚な島田が、ひとたび対局となるとすさまじい形相に豹変する姿は圧巻です。
もともとスリムな佐々木さんですが、棋士の精神的な疲労の大きさをあらわすかのように、頬がこけて、眼光鋭くなる様は鬼気迫るものがあります。

宗谷冬司(そうや とうじ)/加瀬亮

将棋の神の子と恐れられる宗谷冬司を演じるのは、加瀬亮さん。
加瀬さんの声を思い出せないほどにセリフが少なく、しゃべってる声もめちゃ小さいのですが、浮世離れした空気感をまとった孤高の棋士の圧倒的な存在感を見事に演じています。

映画『3月のライオン』の結末ネタバレ

映画『3月のライオン』前編

両親の死・幸田との出会い

桐山零は9歳の時、交通事故で両親と妹を一気に亡くし、一人取り残されてしまいます。親戚を頼れない零は、父の友人でプロ棋士の幸田に「君は、将棋、好きか?」と訊ねられ、生きるためにと「はい。」と嘘をつくのでした。

義父幸田との対局

17歳の高校生となった桐山零は、東京下町のカーテンすらない殺伐としたアパートで独り暮らしをしています。

史上5人目となる中学生プロ棋士となった零が向かうのは、千駄ヶ谷の将棋会館。それは、義父であり将棋の師匠である幸田との対局がある日でした。久しぶりの再会に「元気か」と声をかける幸田ですが、零は無言でうなずくだけで顔を上げることすらできません。零は対局を制しますが、周囲は義理の息子に負かされた幸田に同情的です。

一方、同じ日に将棋の神の子と言われる宗谷冬司と後藤九段の対戦も行われ、後藤は宗谷に圧倒されていました。

川本家3姉妹との出会い

義父・幸田をや破って以来、気が晴れない零は、先輩棋士たちに誘われ夜の街へ繰り出し酔いつぶれてしまいます。路上に倒れ、泣いている零を見つけた川本あかりは、零を家に連れ帰ります。
翌朝目覚めた零は、自分があかりに助けられたこと、川本家にはひなたとももの3姉妹がいることを知ります。夕方、鍵を返しに川本家を再訪した零は夕食をごちそうになり、今まで経験したことのない家族のあたたかさに触れるのでした。

過去の記憶

獅子王戦の挑戦者を決めるための対局が続くある日、アパートで零を待ち受けていたのは幸田家の長女香子でした。強引に部屋に上がり込んだ香子は、零が家を出たことを「私から逃げたくせに」と責めます。
終電がなくなった香子をしかたなくアパートに泊めた零は、幸田家に引き取られた9年前のことを思い出します。幸田家はまさに将棋の家で、香子と弟の歩も父から将棋を学んでいました。
幸田家で居場所を見つけるためには、零も将棋をする以外に道はありませんでした。まだ将棋に勝てない零に対して、香子は”ゼロ”と揶揄し、家族も家もなく、友達もいない、才能もゼロだと罵しったのでした。

翌朝、香子はその日の零の対戦相手である安井棋士の私生活が荒れていることを、捨てセリフのように残してアパートを去ります。零は気の入らない安井との対局を制しますが、香子から安井のことを聞いていた零は複雑な思いです。
安井の投げやりな態度に、過去に香子に勝った時に平手打ちされ「いい気にならないで、ゼロのくせに」と言われた記憶がよみがえります。
帰り道、零は思わず「みんな俺のせいかよ。じゃ、どうすりゃよかったんだよ。弱いのが悪いんじゃないか。もっと勉強しろよ。こっちは全部懸けてんだよ。ほかには何もねえってくらい、将棋しかねえんだよ!」と叫ぶのでした。

後藤との因縁

零が幸田家を出るきっかけとなったのが、幸田が香子と歩に奨励会を辞めるよう伝えたことでした。プロ棋士への夢を絶たれ家を出ると荒れる香子に責任を感じた零は、自分が出ていくことを決意したのでした。

一方、川本家は孤独な零にとって、初めて温かさを感じられる場所でした。新年を川本家と楽しく過ごす零ですが、一緒に訪れた初詣で香子が不倫相手の後藤棋士と一緒にいるところに出くわします。別れるよう香子に進言する零は、後藤に殴り倒され敵意を燃やします。
後藤を倒すことで頭がいっぱいな中、迎えた獅子王戦トーナメントの準決勝で、零はA級の島田棋士との対局に敗北し、後藤への私怨から自分を見失っていたことに気づきます。

獅子王戦トーナメント決勝は、山形の期待を一身に背負う島田と植物状態で入院中の妻のいる後藤という、どちらもタイトル戦に並々ならぬ闘志を燃やす両者の戦いに。そんな死闘を制し放心している島田に、零は島田の研究会に入れて欲しいと懇願します。その零に島田は「お前はまだまだ強くなれるよ」と応えます。

新人戦と獅子王戦のゆくえ

獅子王戦と平行して、零と二階堂は新人戦を戦っています。そんな新人戦の準決勝で、二階堂は対局中に倒れ、そのまま救急搬送されてしまいます。駆け付けた零は、二階堂の病気が生涯付き合わなければならない難病だと初めて知らされます。
新人戦決勝に進んだ零は、二階堂を倒した山崎と対局し、山崎が二階堂の不調を知ってわざと長期戦に持ち込んだことに気づき闘志を燃やします。冷静さを失い勝負に出ようとする零の頭に、かつて二階堂や島田に諭された言葉が蘇ります。我に返り本来の力を発揮した零は新人戦を制し、指すことでしか生きられなかったこれまでの気の遠くなるような戦いの日々を思います。

新人王となった零は、獅子王タイトル戦の解説を任されます。将棋の神の子と称される宗谷と挑戦者島田の戦いの結末を、宗谷勝利と誰もが思ったその時、零だけは島田の勝ち筋を見抜いていました。
しかし島田にはその一手は見えておらず・・・。

打ちのめされながらもそれでも戦い続ける先輩棋士たちの姿に、零は勝負の道をなぜ進み続けのか、その答えは自らに問うしかないことを思い知るのでした。

映画『3月のライオン』後編

新たな年のはじまり

新年度が始まると、若き新人王となった零の存在は、高校にも将棋界にも知れ渡ります。そんな話題の新人王とかつての新人王であり現名人の宗谷の記念対局が企画されます。
幼い頃テレビで初めて見た宗谷を、別世界の住人のように感じていた零にとって、宗谷と実際に向き合うことは実感のないものでした。

一方で、次の獅子王戦のトーナメントに向け、早くも棋士たちの戦いの日々がはじまります。先日、宗谷に敗れた島田は、宗谷と戦った棋士が必ずといっていいほど陥るスランプになり一回戦で敗退してしまいます。
そんな時、零は幸田が入院したために一回戦に現れなったことを知ります。見まいに訪れた零に、家で転んで頭を怪我したと伝える幸田ですが、歩と進路のことで喧嘩となり付き飛ばされ頭を強く打ったことを、後に香子から知らされます。
「うちにはまだあんたの地雷が埋まってる」という香子の言葉が零を打ちのめします。

宗谷との対峙

盛岡市で行われる記念対局前夜、宗谷とともに前夜祭に臨んだ零は、インタビュー中の宗谷の不自然な受け答えに違和感を持ちます。前夜祭を終え、ホテルに戻った零は、宗谷と戦うことを恐れている自分に気づきます。そんな零の心を見抜いたかのように、幸田は電話でアドバイスをします。

記念対局で宗谷と向き合った零は力の差を認めながらも、ひるまず全力で応じます。これまでに感じたことのない美しさを感じる零ですが、ミスの一手を打ってしまい、宗谷に咎められます。
指した瞬間にミスに気づき、懸命に粘る零ですが、ついには投了(負けを認める)します。対局後に島田から、宗谷は過度のストレスによって突発性難聴を患っていることが明かされ、あの宗谷でさえも苦しんでいることを零は知ります。

ひなたの覚悟

零と川本家との交流も1年が経ちました。零が盛岡土産を持って訪ねたある日、ひなたがボロボロの恰好で帰宅します。ひなたは、いじめられていた友人をかばったことで、自分がいじめの標的にされてしまったことを告白します。
川べりで1人泣き崩れるひなたを静かに見守る零に、ひなたは「でも後悔なんてしない。私のしたことは、絶対、間違ってなんかいない!」と強く言い切ります。
かつていじめられていた零は、この言葉に救われたように感じ、ひなたに感謝を述べます。そして、一生かけてひなたに恩返しすると伝えるのでした。帰宅したひなたに、祖父はよくやった胸を張れと声をかけます。

空回りする思い

川本家への思いを強くした零は、先輩棋士との付き合いも断り、川本家を手伝うようになります。あかりは、ひなたのいじめの一件を知った時、褒めるよりも逃げて欲しいと思ってしまったことを気にしていました。
そんなあかりに、零は、ひなたの言葉に自分が救われたこと、そのひなたを育てたあかりも恩人であることを伝えます。その言葉に、いつもは気丈なあかりは涙をこぼします。川本家を助けたい一心で金銭的な援助について真剣に考える零を林田教師がいさめます。
結局、いじめを解決したのは、ひなた自身の強い心でした。零はいじめが解決したことに安堵しつつも、何もできなかった自分の無力さを痛感します。そんな零に、ひなたはうれしかったと手作りマスコットを手渡します。

川本家との決別

いじめ問題が終息し、落ち着いたかに見えた川本家に、新たな事件が起こります。かつて家族を捨てた3姉妹の父・誠二郎が突然川本家を訪れ、一緒に暮らそうと提案してきます。
居合わせた零はその提案に違和感を覚え、誠二郎が会社をリストラされたこと、社員寮の退去期限が迫っていることを突き止めます。家族の話だと苛立つ誠二郎に向かって、ひなたとの結婚を考えていると宣言する零に、川本家は余計に混乱してしまいます。

ある日、誠二郎はももを勝手に保育園に迎えに行き、あわてたあかりは零に連絡をします。誘拐として警察に届けようと提案する零に、川本家の人たちは困惑してしまいます。
ももを連れてあらわれた誠二郎に向かって、零は裁判に持ち込む覚悟があること、姉妹には愛情などないクズ人間だと言い放ちます。ひなたに「こんな人でも、私たちのお父さんなんだよ」と言われ、姉妹を傷つけたことにハッとする零ですが、時すでに遅し。あかりに、今日は帰って欲しいと言われてしまい、零は猛烈な後悔にさいなまれます。

将棋しかない

川本家との交流が絶たれた零は、ひなたからもらったマスコットも捨て、将棋への思いを強くし、獅子王戦の決勝まで勝ち進みます。対戦相手は因縁の後藤に決まりますが、後藤も先日対局中に妻を亡くし、将棋だけに集中できると香子に別れを告げたところでした。
傷ついた香子は、酔って自宅に戻り父・幸田に、この家族は将棋に不幸にさせられたと、泣き崩れるのでした。

島田の研究会では、零のための獅子王戦対策の準備が進められていますが、零は川本家との一件以来、上の空で集中することができません。

前に進む一手

川本3姉妹は、前に進むための一手として父・誠二郎と休日に出かけること祖父たちに伝えます。遊園地や水族館で誠二郎と1日楽しく過ごした後、姉妹は父とは一緒には暮らせないこと、もう会いに来ないで欲しいことを伝えます。
それでも父親であることにこだわる誠二郎に、あかりは平手打ちをし父との決別の意思を伝えます。

幸田は香子がかつて零との対局で、負けを悟って零を平手打ちした時の盤を再現し、香子に覚えているかと訊ねます。香子は勝ち筋がまだあったこと、それを読み切れなかったのは香子自身の弱さからであったことを伝え、最後まで諦めるなと励まし、香子もその言葉を受け入れます。

零は獅子王戦決勝で後藤と対峙します。零は後藤に圧倒され一時は窮地に追い詰められますが、盤に向かいながら、将棋しかないと思っていた自分の人生が、いかに周囲に助けられていたかに気づきます。
対局中にも関わらず涙する零を、後藤はみっともないから泣くなと諭し、そのまま零の一手に投了します。

新しい局面へ

獅子王戦決勝を終えたその足で、川本家に走った零は、みんなを守りたかったこと、方法がわからず傷つけてしまったことを謝罪し、力をもらっていたのは自分だったと伝えます。そんな零を、いつものように3姉妹は温かく迎え入れます。

獅子王戦の挑戦権を得た零は、幸田に付き添われて和服を仕立てに行きます。そこで、幸田は零を引き取った時の話をします。
幸田は、将棋を好きかとの質問に”はい”と答えたのは、零が嘘をついていたのではないかと気にしていたのでした。しかし、ここまで登ってきた零に「間違いないよ、お前は将棋が好きなんだ。そうでなきゃ、こんなに長くは、やっていない」と断言した幸田に、零は「そうですね。好きです。」と素直に受け入れます。

獅子王タイトル戦の日、零は宗谷と再び対峙します。傍らには一度は捨てたはずの、ひなたの手作りマスコットが置かれていました。

映画『3月のライオン』の感想

将棋のことはまったくわからないので、内容を理解できるのか心配でしたが、そんな心配は無用でした。
対局の内容はわかりませんでしたが、人間が抱える孤独や、若さゆえの不安や悩みといった普遍的な内容を描いているので、共感しながら見ることができました。

本作は、”孤独”が一つのテーマになっています。家族を失った孤独な少年が、将棋というこちらも孤独な勝負の世界を生きる中で、成長していきます。これって、ある意味、誰もに共通することではないでしょうか。

若い頃は視野が狭く、若さゆえに独りよがりになりがちです。孤独なのは、ただ自分のことしか見えていないから……。成長するにつれて、実際には周囲にどれだけ支えられているかに気づいていくものです。

主人公・零が川本家から距離を置かれた時の林田先生との会話が印象的でした。
零「もう将棋しかないから。将棋強くなるしか僕はいる意味がない。」
林田「そんなことないと思うけど。」

そう、そんなことないんだよ~、勝手に孤独になるなよ~、ってね。

上にも紹介したように、本作で原作者の羽海野チカさんが描いたのは「将棋と職業とした一人の男の子の人生」。映画でも、その部分が丁寧に描かれています。棋士という特異性はあるものの、基本的には同じ人間の人生なんですよね。

悩み多き若い世代にはちょっと苦しく、人生を俯瞰で見れるようになってきた世代には懐かしく感じる作品ではないかと思います。

みどころ:心に響く名言

映画「3月のライオン」は、心に響く名言がたくさん登場します。
その一部をご紹介しましょう。

幸田:宗谷との対局を目前にして、恐怖する零にかけた言葉
「零、よく聞きなさい。明日、お前の前に座るのは、ただの人間だ。いいか。自分が作ったバケモノと戦うんじゃないぞ。」

島田棋士:宗谷について問われた時
「頂点に居続けても決してゆるまず、自分を過信しない。だからどこまでいっても差は縮まらない。…だが、『縮まらない』からといって、それが、俺が努力しない理由にはならない。追い抜けないことが明らかでも、届くために進まなければならない。」

ひなた:いじめグループに対しての決意を語った言葉
「学校に行くのがつらいわけじゃない。私は口惜しい。あいつらは、悪いことをしたと思ってない。そんな奴のために、私は私の人生を棒に振るわけにいかない。」

林田教師:川本家の力になれなかったと落ち込む零にかけた言葉
「結果は大事だけど、人に伝わるのは結果だけじゃない。」

幸田:失恋し自暴自棄になりかけている香子に、かつて零に負けた時の対局のことを持ち出して
「香子、お前は勝てたんだ。読み切れなかったのは、自分を信じていなかったからだ。もう終わりと、自分を信じ切れなかったんだ。最後まであきらめるな。香子が幸せになる一手は必ずある。応援してる」

映画『3月のライオン』の評価まとめ

『ストーリー』
評価:★★★★

アマゾンレビューなどでは、評価の賛否が分かれていましたが、個人的には◎。前編も後編も2時間以上の長い作品なので、通しでは4時間以上になりますが、飽きずに一気見しちゃいました。ただ、原作漫画を読んでいた方からの評価が低い傾向があるようなので、まだ原作を読んでいない人は、まずは映画から見ることをおすすめします。

『演技』
評価:★★★★★

いや~、全員良かった! 子ども時代を演じている子役までも良い! 棋士たちの対局中の鬼気迫る形相にも、圧倒されるはず! 詳しくはキャスト紹介を参考にしてくださいね。

『演出』
評価:★★★★

監督は『ハゲタカ』『龍馬伝』『るろうに剣心』シリーズを手掛けた大友啓史監督。原作ファンを裏切らないことを念頭にしつつも、原作の核となるストーリーを意識する以外には、むしろ原作とどう距離をとるかを重視したそうです。ハフポストのインタビューでも「『形つくって魂入れず」になってしまうと意味がない。だったら、形なんか作らないで魂だけ入れたほうが良い。」と語っています。
また、対局シーンを撮影するにあたり、演者には棋譜を理解してもらい一手一手の意味や、棋士の思いを丁寧に描いたのだそう。静かなのに激しい対局のシーンの裏には、そんな演出があったんですね。

参照:「『3月のライオン』で大友啓史監督が伝えたいこと 「人生の勝ち負けは、他人に判断されることじゃない」」|ハフポスト

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